
<ケンジ>
入院中は、カミさんには会えても、かわいいワンちゃんには会うことができません。
それがなによりもさびしく感じるわけで、ベッドの側にマロンとモカの写真を飾っていました。
さて、マロンは甘えん坊で、ひざの上でダッコされて過ごすのが大好きです。
このため私が自分の部屋に引きこもっていると、すぐにやってきて、
部屋の扉をカリカリとします。開けてくれるまで、何度も何度もカリカリし続けます。
こうなると気になって仕方がなくなり、扉を開け、マロンをダッコしてあげるわけです。
ダッコして気持ちよさそうにしているマロンを見て、やっぱりマルチーズは愛玩犬なんだな、
と思ってしまいます。遊んであげるよりも、ダッコしているほうが好きですから。
ところが入院中は、マロンがどれだけカリカリしても、部屋の扉が開くことはありません。
急性心筋梗塞で入院した翌日、その話を見舞いにやってきたカミさんから聞いて、
「マロンはやっぱりパパっ子で、パパのことが大好きなんだな」と思い、思わず目がうるうる。
しかし、次の日にもう一度マロンがまだカリカリしているのかをカミさんに聞いたところ、
「私のひざの上で気持ちよく寝てて、もうカリカリしてないよ」というではありませんか。
「たった1日、たった1日だけなのか」。
ベッドに側に飾ったマロンの写真を見て、思わず目がうるうるしてしまいました。
ちなみにモカはママっ子なので、私がいなくてもなんの反応もしなかったそうです。
これはこれでちょっとさびしいんですけどね。







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